家から包丁持ってきて! 研師がその包丁を”ホンモノ”にします

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家から包丁持ってきて!研師がその包丁を”ホンモノ”にします

フライロッドビルダーとして、そして研ぎ師として、日本のアウトドア雑誌の草創期から活躍する韮塚順一さんがNatural High!にやってくる!お家から包丁を持ってくれば、韮塚さんが本当に使える刃物に研いでくれます。でもね、その裏にある韮塚さんの思いを知ってほしいんです。そんな学びがナチュラルハイだと思うから。

「今の親は、子どもに『危険だからナイフを使うな』っていう言い方をしちゃうんだけど、逆なんだよね。『ナイフは危険だからちゃんとした使い方を覚えろ』っていうのが本来。ナイフが危ないんじゃなくて、使い方を間違えると危ない。アメリカなんかでは、ナイフの使い方をちゃんと学ばせるんだよ。自然の中入っていけば、藪もあるし、釣った魚を食べるときにも、火を起こす時にも必要だからね。

 ナイフだけじゃない。とてもいい川あるのに、危ないから川遊び禁止とかね。災害があった時に、川がこうなると危ないって誰も教えられなくなっちゃうよ。」

そうですよねぇ。つい過保護になってしまうというか、口を出したくなるというか。でも、それって結局、子どもの大切な経験を奪っているだけなんですよね。面倒臭がらずに、学ぶ機会をなるべく多く作ってあげるほうが、子どもにとってよいはず。

「釣りだったら、釣りたての魚をまず、食べるっていう、そういうことをさせるってことだよ。魚や昆虫など生き物を殺すことっては大事なんだ。僕なんかも子どもの頃、多摩川で雑魚を100匹も釣っちゃってさ、持って帰ったら途中でもう半数以上が死んじゃうわけ。100匹釣ったって全部もって帰れないんだから、次に持って帰る時はそっから選んで10匹にしよう、とか。無駄に殺してしまった経験があるからこそ、命の大切さを学べる。

食べたいときは食ったっていいんだ。釣ったら1匹、2匹は食べてさ。新鮮なものってやっぱりうまいんだから。殺して食べて、そういった経験から自然を守ろうという気持ちや、食べるときに「いただきます!」という気持ちが生まれてくるでしょう。」

当日は、ステンレスでも鉄でも、家庭用の包丁で切れ味悪いものがあれば、1丁500円の格安で刃物を砥いでくれるそうです。研ぎ方も教えてくれるそうなので、そのあと、刃物にあったオススメの砥石を買えば、自分でもできますよ 。ぜひ、お子さんと一緒に体験して欲しいですね。

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この写真のナイフ、元値は3000円ぐらいだそうです。漁師さんが消耗品として使うようなものだそうですが、丁寧に研いで、自分が使いやすいようにカスタマイズすることで、自分だけの見事な逸品になる。

「江戸細工につながる粋なんだよ。いかに粋に遊ぶか。こんなの自分でできれば楽しいじゃないやっぱり。仕事から帰ってきてこういうのをコツコツやるのってさ。変に凝りだすと寝る時間がなくなっちゃうだけなんだけどね(笑)自分で加工するってことは、もの大切にすることにもなる。愛着がわくからね。」

これって別にナイフにかぎらず、いろんなことに言えますよね。キャンプにいつも持っていくアイテム。イスとか机とか、料理道具。そういったものをちょっとずつカスタマイズして、愛を注いでいく。そんな趣味かっこいいじゃないですか。忙しい毎日の楽しみに、家に帰って1時間だけ自分にとっての粋な時間を持つ。そんな大人は間違いなく素敵です。焚き火を囲みながら、じっくりそんなことを考える時間もいいですね。