あなたの地元で誇れるものはなんだろうか?観光名所になるような文化財、ゆるキャラ、B級グルメ、スポーツチーム…。最近では、野外フェスも地域おこしの文脈で開催されることも多い。地方では様々な創意工夫がされているが、よっぽど尖ったものでなければ、都心まで伝えようと思っても、伝わってこないのが現状だ。
横浜-道志村-Natural High!
アースガーデンが主催している野外フェス
横浜生まれ、横浜育ちの僕は、もう一つの道志村との関わりがある。道志村は横浜の水源地のひとつなのだ。横浜は開港以来、100年以上道志村から水をひいている。「赤道を越えても腐らない水」として、横浜港に寄港する世界中の船乗りから称賛されてきた。
足かけ10年で実現した道志村の水をつかったビール
その水のおいしさを最大限に活かしたビールが横浜にある。その名も<横浜ビール道志の湧水仕込>。(株)横浜ビールが販売するこちらのビールは、昨年のNatural High!に出店いただき、来場者の方にもアーティストの皆さんにも大好評であった。
横浜ビールは、1999年に創業。世界にある多種多様なビールのスタイルを日本に伝えるべく、事業を展開してきた。その中で注目していたのが道志村の水。スタッフの皆さんが道志村へ足繁く通い出会ったのが、地域おこし協力隊の中嶌さんだ。
中嶌さんが、道志村側のキーパーソンとなり、村のニーズや人を繋いだ。道志村から水を運ぶか、道志村にブリュワリーをつくるか、様々な案が出たが、最終的には道志村の水をミネラルウォーターとして販売する会社とタッグを組むことができた。足かけ10年で、やっと製造にこぎつけたビールだ。
<横浜ビール道志の湧水仕込>は、ビールの本場ドイツ・ケルン地方で愛されるケルシュスタイルのビール。口当たりが柔らかく、すっきりみずみずしい飲み口ながら、ホップの豊かなアロマと麦芽の旨味を味わうことができる。何杯でもおかわりしたくなるので、野外フェスのお供にぴったりだ。アジア・オセアニア地域のビールを含めた200種類近くのビールが出品される、アジアで最も権威のある国際的なビール審査会である<アジアビアカップ>の2017年に銀賞を受賞。プロが認める味である。
ここ数年の人気に伴い、大手ビールメーカーもクラフトビール市場に参入してきた。気になるのは「何をもって”クラフト”ビールとするのか」ということ。製造量が多ければ、機械による自動化が増えるが、横浜ビールでは、原材料の投入、充填機へのセット、ビール瓶に栓をする作業などを手作業で行っており、まさしく”クラフト”ビールである。
道志村にも、横浜にも根付くビール
横浜ビールが運営するレストラン<驛の食卓(うまやのしょくたく)>では、道志村や横浜の生産者さんがつくった食材を用いた食事を食べることができる。メニュー数も豊富だ。横浜の生産者さんがつくった食材をつかったビールの開発も行っていて、横浜ビールにとっては、横浜も道志村も「地元」なのだろうと感じた。
地方のみで頑張っても、自力で発信していくにはリソースが足らないこともあり、うまくいかないケースも多い。横浜ビールと道志村の関係は、地方が縁のある都心のブランドやメーカーと一緒になることで、相乗効果を生み出せた良い事例。地域おこしの見本と言えるだろう。
道志村は人口1,750人を切り、年々人口が減っている。キャンプ場もオーナーの高齢化により、閉めてしまったり、後継者がいなくて困っているところもいくつかあるようだ。アースガーデンでできることといえば、やはりNatural High!の開催となるだろう。最近は、開催のお知らせが遅く、いつもご心配をおかけしているわけだが、2018年は早々に開催を発表できた。横浜ビールも出店予定。会場内で飲める水は、道志の水。会場内で飲めるビールは、道志村の水をつかったビール。音楽にもキャンプにも必要不可欠なビールが、ちゃんと会場とつながるのはアースガーデンらしいと思う。
スタッフ一同、道志村との出会いに感謝しながら、今回も少しずつ準備を進めていく。会場ではぜひ横浜ビールでカンパイしてほしい。
こだわりの地ビール「横浜ビール」
http://www.yokohamabeer.com/
Natural High!
http://naturalhigh.jp/
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