【オオヤユウスケ(Polaris)×勝井祐二 インタビュー】色とりどりの緑に囲まれた森のフェスと標高1,600mで行われる空のフェス

大自然の中で、食べて寝て踊る。たくさんの人が森や山に集まり、一つの都市を作ってしまうという、とんでもない遊びが「野外フェスティバル」です。美しさも厳しさもある自然体験、マーケットに並ぶ丁寧なクラフト作品、ライブでの高揚感、多くの魅力を持つ野外フェスティバルは一年中、全国で開催されています。

僕たちearth gardenは、現在、2つの野外フェスを主催。1つは、2006年からはじまり今年で13回目となる「Natural High! (以下NH) 」。もう1つは、昨年から新しくはじまった「Hi! LIFE八ヶ岳 (以下HL) 」。最高のフィールドで開催されるearth gardenらしい野外フェスです。

両方のフェスに出演経験があり、今年も出演いただけるオオヤユウスケ(Polaris)と勝井祐二のお二人に、eartgardenの野外フェスについての印象を聞いてきました。

earth gardenが主催する2つの野外フェス

オオヤユウスケ(以下オオヤ) NHは、時期が最高ですよね。会場となる道志の森キャンプ場の緑が芽吹く時期。会場にはたくさん余白があって、お客さんが自由に楽しめる余裕があるのもいいなぁと思います。

ー まさしく、緑の真っ只中です。もう13年もやってるから、どのくらい美しいか十分に実感しているんですが、毎年、緑がきれいだぁと唸ってしまう。本当に美しいです。

勝井祐二(以下勝井) 場内は適度な高低差があって、川が流れている。歩いて移動することで、フェスのストーリーを楽しむことができるフェスですよね。

オオヤ 今は、少なくなってしまったちょっと昔の野外フェスの雰囲気が残っていると思います。今はどこのフェスも整理整頓され過ぎている気もするんですよ。

勝井 僕はね、川が流れているのがすごく好きなんですよ。水の音があって、夜になると焚き火あって。

ー NHの焚き火ステージには自信を持っています。ステージの目の前に大きな焚き火をして、音楽と一緒に楽しんでもらう。こんなにステージと焚き火の距離が近いフェスは、他にないですよ。ライブに影響しないように、火のコントロールができるのは、僕たちの経験と、風が強くなりにくい地形があるからこそです。

オオヤ 僕たちも火を感じながら演奏できる。NHでしか味わえないので、いつも楽しみにしています。

ー 毎年頑張っている甲斐があります!そして、お二人には昨年に引き続き、HLにもご出演いただきます。

勝井 あのフェスの特別感は標高でしょうか?あんなに高い標高でやってるフェスはなかなかないですよね。

ー 1,600mの場所で開催しています!

オオヤ 1,600m!あの感じは他で味わったことが無いですね。時間の流れすら違う気がしました。標高が高い上に、周りに遮るものがないので、景色が遠くまで突き抜けているんですよね

勝井 リフトに乗って移動して、上がりきったところにあるステージは本当にすばらしい景色でした。


>> Hi!LIFE 八ヶ岳 2018

それぞれが意思を持ってできることを持ち寄る

勝井 野外フェスには豊かな自然が欠かせません。でも、会場を特別にするのはみんなのフェスを作ろうとする意志だと思います。スタッフさんが準備をして、お客さんが集まる。みんながフェスを作って楽しもうとする意思を持ち寄るから、そこにしか生まれないグルーヴがある。

オオヤ 人が集まることに意味がありますよね。ライブを見たり、お客さん同士で話をしたり、トークを聞いたり。キャンプをして、料理を作って。

勝井 それぞれがやれることを持ち寄って参加するという感覚はありますよね。我々はたまたま音楽ができるというだけで、もしかしたらお客さんと変わらないのかもしれない。

その土地にあるべき音楽を奏でる

勝井 その場を特別にするために僕たちアーティストが必要なことは、場所の空気や時間の流れをキャッチして、ライブをすること。そのためには、ある程度、時間が必要なんですよね。

オオヤ 分かります。会場に入ってすぐライブだと、場所に体が追いつかないまま終わっちゃうような感じがします。

勝井 できれば会場の準備からそこにいて、フェスが始まって、ライブをして、終わったら少しそこに留まるような過ごし方をしたい。フジロックは、長いと木曜日から月曜日までずっといることもあります。

オオヤ 1日だけ、数時間だけ、なんてもったいないですよね。

勝井 場をキャッチできていれば、よりお客さんに伝わるライブができると思う。今ここに必要な音楽はこれだよね、と自信をもって演奏できる。ソロはもちろん、バンドでやる時だって、本当は曲順や曲目は現地に行ってから決めたいですよね。

オオヤ 僕は、ソロだったら、リハの時に「この場所はこれかな?それともこっちかな?」というのを確かめています。バンドだと、いろんな人が関わるから、その場で変えていくのがなかなか難しいのですが。

勝井 ROVOのライブは、急に変更しても対応できる、信頼のあるチームだから、けっこうフレキシブルにやれてますね。

ー お二人が一緒にライブをしたのは、ROVOの芳垣さんとライブをしたフジロックだったんですよね?

オオヤ そうですね。そのときに勝井さんにも出ていただきました。あのとき、勝井さんのバイオリンの音が、自分の歌と近い抑揚感を持っていると思ったんです。感覚的なもので言葉にはできないのですが、去年、HL一緒にライブをしたときも同じことを感じました。

勝井 何かが共通しているんでしょうね。僕も分かります。オオヤ君は、あまりボーカリストらしくないんですよ(笑)。俺を見てくれ!というような、タイプではないというか。

オオヤ 一語、一章節ごとにパワーを込めて自分のメッセージを伝えたいというよりも、歌全体で状態を指し示したいという思いがあるんです。だからかもしれません。

勝井 僕もそうなんですよ。自分のバイオリンの音を強く主張したいというよりも、全体として風景のようでありたいと思っています。風景の中に、 鳥が飛んでいるとか、川が流れているとか、そういったように、音楽の中にバイオリンがあるというようなイメージ。

オオヤ いいですね。早く、ライブがしたいです。

勝井 楽しみだね。焚き火も。

ー なるべく長めの枠を取るので、のんびりやってください(笑)。今日は本当にありがとうございました。道志の森で、八ヶ岳の山で、お二人をお待ちしています。

earth gardenが主催するもう一つのキャンプインフェス
Hi ! LIFE 八ヶ岳 2018
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